これから長距離運転手になる人へ ― 知っておきたい法律とそのメリット・デメリット

長距離運転手の仕事は、ただハンドルを握って目的地まで荷物を運ぶだけではありません。安全運転はもちろん、労働時間や休憩に関するルール、働く環境を守るための法律も数多く存在します。これらを知らずに働き始めてしまうと、思わぬトラブルや体調不良につながることもあります。今回は、これから長距離運転手を目指す方にぜひ知っていただきたい「法律のメリットとデメリット」をご紹介します。


1. 労働時間の上限規制(2024年4月から本格適用)

長距離運転手に大きな影響を与えるのが、いわゆる「働き方改革関連法」です。2024年4月から、トラック運転手にも年間960時間の時間外労働上限が適用されました。

  • メリット
    • 過労運転を防ぐことができ、心身の健康を守れる。
    • 無理なシフトが組まれにくくなり、生活リズムを整えやすい。
    • 安全運転につながり、事故のリスクを減らせる。
  • デメリット
    • これまでのように「走れば走るほど稼げる」という働き方が難しくなる。
    • 法律を守るために、1回の運行距離や配送エリアが制限される場合がある。
    • 会社によっては仕事量が減り、収入が落ちる可能性もある。

2. 拘束時間と休憩時間のルール

運転手は「自動車運転者の労働時間等の改善基準告示」という細かいルールに基づいて働きます。これは一般の会社員とは違い、運転の特性を考慮した特別な基準です。

  • 主なルール
    • 1日の拘束時間は原則13時間以内(最大16時間まで)
    • 運転時間は2日平均で1日あたり9時間以内
    • 連続運転時間は4時間まで → その後30分以上の休憩が必要
  • メリット
    • 無理な長時間運転を避けられる。
    • 休憩を確保することで集中力が維持でき、安全性が高まる。
    • 体調管理や睡眠のリズムが守られる。
  • デメリット
    • 時間に余裕を持った運行が必要になり、納品スケジュールが厳しく感じることもある。
    • 渋滞や荷待ちが発生すると、法律の枠内でやりくりするのが大変。
    • 現場の実情とルールが噛み合わず、ストレスを感じることもある。

長距離運転手になる前に知っておきたい法律Q&A ― メリットとデメリットを本音で解説!

長距離運転手を目指す人からよく聞かれるのが、

「運転手って法律が厳しいって聞くけど、実際どうなの?」という疑問です。

実は、運転手には普通の会社員とは違った特別なルールがたくさんあります。今回は、現場で働く立場から「よくある質問」に答える形で、法律のメリットとデメリットをお伝えします。


Q1. 労働時間ってどれくらい働けるの?

A. 2024年から「年間960時間まで」という上限が決まりました。

これは「働きすぎを防ぐ」ための法律で、運転手にもついに適用されました。

  • メリット
    • 無理な長時間労働が減って、体を壊しにくい。
    • 睡眠や休養が取りやすくなり、事故防止につながる。
  • デメリット
    • 昔みたいに「走れば稼げる」スタイルは難しくなる。
    • 会社によっては、収入が減る可能性がある。

実際に私も「稼ぎたいけど休みも必要」という気持ちがありました。今は健康を守れる分、長く続けやすくなったと感じています。


Q2. 休憩ってどんな風に取らないといけないの?

A. ルールで「連続運転は4時間まで」と決まっています。

その後は30分以上の休憩が必要です。

  • メリット
    • 運転に集中でき、眠気による事故を防げる。
    • コンビニやサービスエリアで息抜きする時間ができる。
  • デメリット
    • 渋滞や荷待ちで時間を取られると、休憩のやりくりが大変。
    • 「あと少しで目的地なのに休まなきゃ…」という状況もある。

体験的に言うと、最初は「強制的に休まされる感じ」が面倒でした。でも、慣れると「ここで休憩するのが一番安全だな」と思えるようになりました。


Q3. 有給休暇は取れるの?

A. 年5日は必ず取らせるように法律で決まっています。

  • メリット
    • 家族と過ごす時間が増える。
    • 旅行や趣味の時間が取りやすくなる。
  • デメリット
    • 会社によっては「取りづらい雰囲気」が残っているところも。
    • 自分が休むと仲間にしわ寄せが行く場合もある。

私の場合、有給で子どもの行事に参加できたのは本当にありがたかったです。昔なら諦めていたことなので、制度の進歩を感じます。


Q4. 荷待ちってどう扱われるの?

A. 荷待ち時間も「労働時間」にカウントされます。

  • メリット
    • タダ働きではなく、きちんと労働時間として認められる。
    • 国も「荷待ち削減」に本腰を入れている。
  • デメリット
    • 実際には「休憩に充てたいのに荷待ちで時間が潰れる」ことが多い。
    • 荷主や会社の理解が不足していると現場で苦労する。

正直に言うと、荷待ちは一番のストレス源です。ただ、昔よりは「問題にしていいんだ」と言える雰囲気が出てきました。


3. 有給休暇や休日の取得義務

働き方改革により、年次有給休暇の取得が義務化されています。会社は労働者に対して年5日の有給を必ず消化させる必要があります。

  • メリット
    • 休暇が法律で守られているため、安心して休める。
    • 家族や自分の時間を確保しやすくなる。
    • 長距離の疲れを回復でき、健康を維持しやすい。
  • デメリット
    • 運送会社によっては「休みにくい雰囲気」が残っている場合もある。
    • 休暇を取ると同僚に負担がかかるケースがあり、気を使うこともある。

4. 荷待ち問題と「働き方改革」

長距離運転手にとって大きな悩みが「荷待ち」です。積み込みや荷下ろしで長時間待たされることがありますが、これは労働時間に含まれるため、時間管理が難しくなります。

  • メリット
    • 法律上は荷待ち時間も労働としてカウントされるので、タダ働きではなくなる。
    • 国や業界全体で改善に向けた取り組みが進んでいる。
  • デメリット
    • 実際には「荷待ちの長さ」が原因で休憩や睡眠時間が削られることもある。
    • 荷主や会社の理解が不足していると、現場で板挟みになる。


まとめ

長距離運転手に関わる法律は、「安全」と「健康」を守るために存在しています。

その一方で、これまでの「稼げるけど体力勝負」という働き方から、「時間管理を守りつつ効率的に働く」スタイルへと変化しています。

これから長距離運転手を目指す方は、法律を知ることで無理なく働き続けるコツを掴めます。デメリットに見える部分も、見方を変えれば「自分の体を守るための仕組み」だと言えるでしょう。

法律を味方につけながら、安全で長く続けられるドライバー人生を送っていただきたいと思います。

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